本日公開初日。7時半起床で初回を観てきた。
この映画、いわゆる娯楽作品ではない。
文芸作品であるので、賛否両論はもちろんあるだろうと思われる。
好き嫌いが出てくる映画だと思う。
山場はどこ?と聞かれると、困るが・・淡々と進むので。
終わった後はちょっと放心状態(^^;
余韻はすごいものがある・・深い映画だと思う。
原作にはある説明(要蔵の思いや、こう思ったからこういう行動を取った)が一切なく不親切と言えば不親切。
独白もなし。
観るものがそれぞれ考え想像し感じればいいのだと思う。
行間を読むというか。
「?」と思ったことに対しセリフや表情をヒントに読み取っていけば映画の人間失格が理解できていくんじゃないかな。
ただ「観てるだけ」では、もしかしたらつまらないとかんじるかもしれん。自分なりの解釈を持ってみていけばそれがその人にとっての「人間失格」になると思う。
にぎやかな場面もあれば無音の場面もある。
でも終わって見ると静かな場面しか覚えていない。
映像やカットがそうさせてるのかな。
映像や写真が印象的。
そしてエンドロールがいい。
普段はエンドロールまでいないという人もぜひとも最後まで残ってくださいませな。ジーンとくるから(たぶん)
斗真は映画観てから原作を読んでと言ってたけど。
説明が一切省かれてて斗真や役者さんの表情から読み取らなくてはいけないので知らない人にはちんぷんかんぷんのところが出てくるかもしれんなあ・・
あたくしは読んでから見るのをお勧めいたします。
だって、呼んでなきゃ分かんないところ出てくるもん。
自己補完しなきゃなんないもん。
映像は確かに美しかった。
情熱大陸であった要蔵の吐血する場面。
斗真が本当に美しく撮れていた。
各役者さんもそれぞれがはまり役で。女優陣なんてこんなに少しの出番で本当によろしかったんですか?って。
もう、ありがとうございます~って(ナニサマ?)
同じく情熱大陸であった、要蔵の「微笑み」の場面。
ああ、これでその「微笑み」か・・って。
この場面は伊勢谷くんも斗真もすごくよかった。
堀木の最後のセリフに迫力を感じ、三田さんのラストの微笑みがたまらなく良くて。
中原中也もいいアクセントになっていたと思うよ。
すごくきれいな場面があって。斗真と二人座ってる場面で。
三田さんと要蔵の「問題?」の場面はなんていうのかな。
斗真はお母さんのおなかの中にいる子供のような。
でもあの並びが「死」をあらわしてるような。
斗真は後半、良子との場面のあと、どんどん良くなって言っていた。
破滅に向かう男の、「堕ちていく美しさ」が出ていたと思う。
「生きていてすみません」
がとても切ない。
前半はちょっとダレるかもしれん(^^;(隣の兄ちゃんがあくびしてた(^^;;)
小道具ネタを探すのも面白いかもよ。
それこそ情熱大陸に出ていた「金魚」だとか。
斗真が自分で剥いたというりんごとか。手元しか映ってないとぼやいてたけど(^^;
個人的にはcafeの場面で常子に対する堀木の言葉を聞いた要蔵のクっと笑う顔がたまらなく好きである。
そしてラスト場面の車内での表情。
あれがきっと「一抹の光」なんだろうね。
人間行きつくところは同じなんだって。
それがわかった要蔵の表情なんだろうね。
もう一度見たらまた違う感想が出てくるかもしれんなあ・・
原作がそうだからね。
もう一回原作読むか・・
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